朝日新聞 2005年5月9日 【朝日求人】発行記事掲載
| 米国非営利NPO教育組織法人
ロスアンゼルス日米文化会館 |
アメリカ留学センター(ARC)ディレクター |
| 野村ちえいさん |
| ●学習院大学、日本航空国際線客室乗務員を経て渡米。プロ音響機器の輸出ビジネスを11年手がけた後、キャリアアドバイザーとなる。日本人対象の多岐にわたる留学プログラムの紹介で20年間の実績。従来の一方的に授業料を払う留学形態を「ワークスタディー」志向へと発想転換した企画の紹介で年に4、5回来日している。不登校・高校中退者のリカバリー留学にも取り組み、正規留学の紹介に務めている。日本での次回セミナー(イーウーマン、エデュケーションジャパン共催)は9月下旬予定。 |
米国在住30年、着実なキャリアを築いてきた人だ。日本からの様々な留学希望者の相談にのり、留学受け入れ先を細やかに探し、そして滞在中のサポートを続けている。中でも、仕事のステップアップを図りたいと考える社会人対象のペイド・インターンシップという有給研修が注目される。
「語学留学ではなく、遊学でもない。米国企業で、インターン研修生として給料を得ながら働き、多様な能力を身につけるものです。今の自分の何を強化したいかを考え、その部分を研修によって高められる企業に籍を置く。職場への社会留学だから義務と責任を伴います」
現在までに野村さんの手で企業研修へ飛び込んだのは男性2割、女性が8割という比率。就職先を見つけてもらい、面談し、日本で研修ビザを申請・取得。渡米後の生活拠点探しまで、越えるべきハードルは数多い。
「ずっと伴走しますよ。もし今現在、あなたが自分のキャリアとか社内での待遇などに割り切れない思いがあったら、もう一度あなた自身に新しいチャンスをあげたい。海外で働きながら日本を見ると、今までは気づかなかった文化価値への取り組み方や企業理念、自分の位置づけが本当に明確になる。ビジネスの在り方も分かる。価値観が変化するから発想も変わります。
それから自分のキャパシティー能力を知ることで、帰国後の再就職の適性範囲を容易に絞り込める。きちんとした結果で判断を出せるメリットがありますね」
米国での生活やビジネスには、何となく、という概念はない。まずイエスか、ノーか。それはなぜか。毎日その緊張感と向き合うのは最初はつらいが、常に答えを探す習慣がつく。帰国してから、それが明確な応用能力として、驚くほどの戦力になるそうだ。
「オフィスのある日米文化会館では多くの日本文化・アート・伝統行事をアメリカ人に紹介していますが、それを共に体験する留学生たちが日本人としての誇りを持つようになるの。本当にうれしい。帰国したら日本をよろしくね、と思う」
力があるのに自信がなくなった日本人。野村さんはその背を温かく押そうとしているようだ。
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